至福感覚

ふと、経済について考える。
ごくごく素朴な経済である。小学生レベルといってよかろう。
買うということの意味とか、もうかったとか損したということの意味。
もうかるというのは、たなぼた的心理なのかしら。
費やした「もと」より「入り」のほうが多い、ということ。
あるいはなにかが相場より高く売れたとか。
子をもうけるともいう。あれは儲けの一種なのだろうか。
損はその逆。
買うことで商品を入手する。
そのときにも「もうかった」「そんした」という心理が発生することがある。
支払ったお金に対して、予想したより「味が良かった」「量が多かった」
「質が良かった」「長持ちした」「おまけがあった」など。
いずれもお金とイコールの価値よりなにかプラスがある場合、
買い手に発生する心理状態が「もうかった」だ。
これはまちがいなく「幸福感」にちかい。
この幸福感は麻薬的だから、外食産業は客をひきつけようと、
価格競争をして、値段を下げることでその「プラス」を増やそうとする。
千円の味というものがあるとして、千円出して味わっても、幸福感はえられない。
千円なら当然の味なのである。
それを、五百円で味わえたとする。すると、そこに生じる五百円の差が、
脳内にエンドルフィン(=至福感の元)を湧出させ、
人は幸福感にひたれるのである。