巨大な感情

ふと思った。
世の中には、巨大な感情の勢いというものがある。
それは、マスコミに誘導されるケースもあるが、マスコミは
きっかけをつくるにすぎないともいえるだろう。
ある方向に向かって動き出した巨大な感情が、ふっと方向を見失う。
すると、行き場を失った感情のエネルギーは、しばらく宙に浮いて、
やがてどこへともなく消えてしまうようにも見えるが、
じつは巨大な欲求不満として、どこかに残っているのである。
たとえば、最近ではホリエモン
期待だけではなかったにしても、多くの人がホリエモンに託したものは、
始末されないまま、宙に浮いている。
これに近いと思うのが、もう十五年くらい前のことになるか、
貴乃花宮沢りえの婚約&婚約破棄事件だ。
あのときのふたりはほとんど「ロイヤル・ウェディング」に近い存在で、
国民的祝福のさなかにいた。それが理由のよくわからない破談。
大きな感情の塊が、あのときも行き場を失った。
すんなりとカタルシスへと至らせてくれない。
おそらくそれは、なにかしら不健康なものを後に残す。
どうということのないものへの過剰な熱狂、なども、
その後遺症のひとつかもしれない。